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活用例

60年以上のノウハウとリバース技術の融合 -東宏工業株式会社様

東宏工業株式会社様は、1952年に創業された、自動車部品プレス金型の製造・加工をされているメーカーです。新事業部の開設や工場の増設等を経て、60年以上にわたって地元愛知県で高品質なものづくりを続けられています。
今回は金型事業部の渡辺様にspScanの活用状況についてお話を伺いました。

spScanを選定した理由

当初はプレストライパネルの精度の測定を行うために、三次元測定機のみを導入する予定でした。その際に、測定機で取得した点群を他の用途でも有効活用できないか検討した結果、測定機の購入元である東京貿易テクノシステム様の勧めもあり、点群を3Dモデル化するリバースソフトとしてspScanを導入することになりました。
spScanを選んだ具体的な理由としては、金型の作成時に手作業で加工した、再現性のない3D形状のモデリングをできることが挙げられます。
金型を作成する際には、設計通りの形状のままだと必要な精度を満たせない場合があり、そうした部分は手作業で加工して調整を行います。このとき手作業で加工した部分は、CADソフト上で再現するには少し無理がある形状の自由曲面になることがよくあります。spScanのリバース機能はそうした形状と相性が良いと判断しました。
また運用上の都合として、使用しているCAD/CAMソフト「Cimatron」との互換性に問題がなかったことも導入の理由の一つです。

spScanの活用状況

使用中の金型が破損した場合は、本来であれば新しく破損した金型を作り直すのが理想です。
しかし実際に使用している金型は手作業でR部分の拡大などをしている場合が多く、設計データから新規に同じ部品を作成しても、実際に量産に使用していた部品と同じ形状にはなりません。そのため作成した部品に対して再度手作業での調整を行う必要があり、完成までに多くの手間と時間がかかります。こうした事情からspScan導入以前は、金型が破損した際は新しく部品を作り直すのではなく、割れてしまった曲げダイ部分を溶接するなどの修理を施して再利用することが多くありました。
spScanを導入したことにより、手作業で調整した後の金型からCADデータを作成することが可能になり、破損した部品の再作成が容易になりました。spScanでは手作業で加工した部分はそのままCADに反映し、量産によって摩耗した部位や、溶接して修理したことで形状が変わった部位は設計データの形状を復元する、といった作り分けが可能です。そのため顧客の要望を確認しながら、上記のように正確に再現が必要な部分と復元した方が良い部分を見極めながらリバースしています。
spScanを活用することで、金型が破損してしまった時でも目的の形状を再現した新しい部品を速やかに作成できるようになったので、無理なリペアによる再破損のリスクが減って安定した量産体制を維持できるようになりました。

spScanへのご要望

色々な機能があってやりたいと思った操作は大体できるのですが、コマンドの数が多いため使いこなすのが難しいです。コマンドの使いやすさ、覚えやすさが向上すると作業者の増員もしやすくなり助かります。
また、処理に時間がかかるコマンドの操作性の向上や、より早くより綺麗な面を作成できるような機能開発もお願いしたいです。サポートについては、問い合わせに対して快く迅速に対応してもらえるので、操作等で困った際に連絡がしやすく非常に助かっています。


以上、東宏工業様よりご紹介いただきました。
この度はご多用中にもかかわらずご寄稿いただき、本当にありがとうございました。
ご要望の「操作性向上」「より早くきれいな曲面作成」につきましては、重要な開発テーマとして取り組んでいきます。皆さまのご要望を反映した開発をしていきたいと考えていますので、今後も忌憚のないご意見・ご要望をいただけますようよろしくお願いいたします。

東宏工業株式会社

〒492-8422
愛知県稲沢市高重町屋敷43番地
金型事業部
TEL:0587-32-7115/FAX:0587-21-7729
Webサイト:https://www.toukou-ind.co.jp/

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