活用例
補給品用プレスパネル製作にリバースエンジニアリング技術を活用 -岡矢産業株式会社様
岡矢産業株式会社様は、主に自動車業界において高品質、低コスト、短納期化を実現している試作メーカーです。ユーザーからの様々なニーズに対応し、信頼を得ています。CAD、CAM、CAE、CAT(Computer Aided Testing)の活用を推進されており、アルモニコス製品の「spScan」、「spGauge」、「spGate」をご利用いただいています。
主な事業内容
- プレス成形の工程設計から、成形シミュレーション解析、型設計、加工用データ作成(金型用、パネルレーザー加工用)、機械加工、組立て、試作プレス、納品パネル検査までの全製作工程(試作用金型はFC金型では4週間、ZAS金型なら2週間で可能)。
- プレス部品の溶接組付け用治具を、3次元測定器を用いて設計・製作。
- 博物館などに展示される繊細なデザインモデル(自動車模型)を、最新のテクノロジーと材料を用いて制作。
spScanを選んだ理由
数年前、当社は自動車部品の試作品製作業務以外の新しいビジネス展開の一環として、自動車部品等の量産打ち切り後の、製品修理用サービスパーツ「補給品」の製作受託業務の立ち上げを計画していました。
量産打ち切り後にはプレス用の金型が廃棄されている場合が多いため、「補給品」を製作するためには現行品のプレスパネルから新たに金型を作る必要があります。
そのため非接触測定器で取得したポリゴンデータを、CAD形状としてモデリングできるリバースエンジニアリングソフトウェアを探していました。金型の設計や加工に必要な品質のデータを作れることも条件でした。
複数のソフトウェアを比較調査する中で「spScan」を選んだ決め手は、自動車プレスパネル形状の自由曲面の作成が簡単にでき、作成した曲面データがCADでの設計業務にも使えることでした。
その他、測定データとの許容誤差や面品質を指定した曲面作成機能があること、測定データが欠落した箇所でも曲面を作成できること、プレス金型の要件を満たした形状が作成できることにも魅力を感じました。
さらに、体験セミナーや定期トレーニングの開催、技術サポート支援など、導入後のサポートに期待できた点も選定理由として大きかったです。
spScanの活用事例
補給品用プレスパネル製作例
プレス用金型や製品と金型の設計3次元CADデータがない状態で、紙図面と現行品のプレスパネルからリバースエンジニアリングをしました。
この事例における、現行品のプレスパネルの非接触測定データから曲面を作成する際の条件は「非接触測定データとの許容誤差の目標は±0.2mm以内」「スポット溶接箇所のフランジ形状は平面確保、上面部の形状は平面に」「立壁は上面視に対して垂直面」「紙図面のフィレットR寸法を反映」などがありました。これらの条件はspScanの「プリミティブ面作成」「押出し面作成」「R指定フィレット面作成」機能などを組み合わせて利用することで対応が可能です。
ただし、上記の条件だけを考えて現行品のプレスパネル形状を無視してしまうと、他の部品と「補給品」との接合状態に支障が出ます。そのため「spScan」で現行品の自由曲面形状をバランス良く再現していきました。
《リバースエンジニアリングの情報》
- プレスパネルサイズ:480×30×100㎜
- 非接触測定データ:STLフォーマット 42万ポリゴン(データサイズ20.7MB)
- 曲面作成数:307面
- CADで読み込めるIGESフォーマットで出力(データサイズ2.8MB)
- リバース面の作成時間は、プレスパネルの要件を加味したので、約300分(非接触データのみの場合は200分で可能)
その他のプレスパネルのリバース例
spScanへの要望
バージョンアップのたびに機能が改良されており、以前よりもリバース時間が短くなっていると感じます。もっと簡単に短時間でのリバースが可能になるよう、さらなる自動化の開発をしてほしいです。
岡矢産業株式会社
所在地:〒470-0371 豊田市御船町申原96-3
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tag : ユーザー事例 測定・リバースサービス