自動化による生産性向上
アルミフレーム物件を最速で設計
顧客の見積要求から、最速でアルミフレームの物件を設計するシステムです。
物件の3Dデータを専用機能で効率よく作成し、見積用・生産用データを自動出力します。
背景と課題
見積件数の増加に伴う慢性的な設計工数不足への対応だけではなく、増加する顧客要求に対応するために、以下のような課題を解決する必要がありました。
- 物件の大型化、複雑化によるデータの大規模化
- 物件の大型化、複雑化に伴う設計工数の増加
- 組み立てサービスの充実
このような状況の中で、顧客の要求に対してレスポンス良く見積を提示することが徐々に難しくなっていました。お客様の中では、設計工数を削減するために設計作業を効率化すると同時に、新たに組み立て用のサービスを提供することが喫緊の課題になっていました。
システム開発のアプローチ方法
もともと3DCADに専用の設計機能をアドオンすることで設計の効率化に取り組んでいましたが、効率化の対象作業が小規模物件の基本的な3Dデータ作成と部品表の出力に限られていました。
物件の大型化・複雑化への対応と同時に組立サービスの提供を行うため、プロセス全体を最適化し、設計から製造データ作成までのプロセス全体の工数を削減することを目指してシステムの検討を行いました。
上記システムの実現のため、以下の方針に基づいてシステムの機能や詳細仕様を検討しました。
- 3Dデータに部品データだけではなく加工データも付加し、全ての属性情報を3Dデータに集約する
- 物件のデータを、単品の標準部品を階層構造に組み立てたアセンブリデータとして作成する
- ドアやパネルなどの構造部品をアセンブリ単位でテンプレート化し、パラメータだけで構造部品を作成できる仕組みを設ける
- アセンブリデータから各部品の情報を収集することで、各種設計・製造データを自動作成できるようにする
導入効果
本システムを構築したお客様であるエヌアイシ・オートテック様は、アルミフレームの設計代行から組立・現地据え付けまでを行うサービス「KAKCHAR(カクチャ)<PAT.P> (TM) 」を展開しています。
カクチャは、顧客の時間や労力を削減することでコストダウンを図るトータルサポートサービスであり、競合他社に対して差別化を図るサービスになっています。
本システムは、KAKCHARで提供する各種データの出力に使用されており、エンドユーザのコスト削減に寄与しています。
また、従来は大型物件などの難易度の高い物件は経験のある設計者でないとデータの作成が難しい状況でしたが、本システムの導入により、3D形状作成時に設計者のサポートを受けることで、設計者以外のメンバでも見積や製造データが作成できるようになりました。
これにより、慢性的な設計工数の不足が解消され、より多くの見積要求に対応できるようになりました。