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活用例

ClassNK-PEERLESSの導入により、船のレトロフィット設計を効率化。他の業種にも展開!

株式会社バラストセブン様は、海洋配慮に特化した就航船改造工事設計業務を主に展開しています。設立時より、造船所のOBである船舶設計経験者が主軸となって、3Dレーザースキャナーおよび3DCADを用いた設計業務に従事しています。インド・中国出身のエンジニアの活躍により、日本国内だけでなく海外の船主や造船所との連携もスムーズに行っています。

【主な業務内容】

  • 3Dレーザースキャナーによる計測および3Dモデリング
  • バラスト水処理装置(BWMS)搭載工事設計
  • SOxスクラバー(EGCS)搭載工事設計
  • 就航船の燃費性能(EEXI)を義務付ける新たな規制に対応するためのエンジニアリング(省エネ機器搭載、船首取り替え等)
  • 改造工事プランのサポート
  • その他バラスト水サンプリング分析

今回は、ClassNK-PEERLESSの導入を推進した代表取締役社長の佐藤克己様とモデリング作業を行っている出口玖留美様にお話をお聞きしました。

レトロフィット設計で、3Dレーザースキャナーとモデリングソフトが必要になったのはなぜですか?

佐藤様:レトロフィット設計を行うには、複雑な船内構造、機器配置および配管等の船内状況を把握する必要があります。そのためには、完成図面を参照すれば良さそうですが、実際の船内状況は完成図面と異なる箇所が多少あります。

そこで、実際の船内状況を把握するために3Dレーザースキャナーで船内を計測しました。しかし、3Dレーザースキャナーの死角になり点群をとれない箇所があることや、当社が導入している3DCADでは点群を扱えなかったこともあり、モデリングが必要になりました。

ClassNK-PEERLESSを導入した理由を教えてください。

佐藤様:ClassNK-PEERLESSプロジェクトの企画段階から参画していたため、当社が課題としていたことを解決できるとわかっていたのが大きいですね。

船のレトロフィット設計では配管設計が重要です。まず、フランジの位置やバルブの面間寸法など、実際のものと誤差がほぼないように作成する必要がありました。さらに、他社製のモデリングソフトで船内の構造を3Dモデル化していましたが、配管の径を目視で確認し、ソフト上に手動で径を入力するため、手間がかかっていたことも問題でした。

そこで、配管や鋼材のモデリングを得意としているClassNK-PEERLESSを導入することで、複雑な船内の構造を効率よく正確に表現できるのではないかと考えました。

実際に使った感想を教えていただけますか?

出口様:ClassNK-PEERLESSの操作はシンプルで、すぐに覚えられます。
多くの配管をモデリングする必要があるので、配管に該当する点群の一部を選択するだけで配管を自動で延長して作成する機能に大変助けられています。

それまで手間がかかっていた配管の径についても、配管に該当する点群を選択すると自動で規格に合った配管径で作成されるため、工事に必要な配管のみを入念に確認すればよくなりました。その結果、作業時間が大幅に削減されるだけでなく、配管のモデリング精度が向上しました。

また、外板などの曲面を簡単に作成できるため、工数を削減できました。ClassNK-PEERLESSでモデリングすると見た目も整うので、お客様に説明する際も非常に好評です。

ClassNK-PEERLESSの導入により、どのように業務が改善されましたか?

出口様:300ショットで撮影した場合、ClassNK-PEERLESSではほとんどの場合80時間未満でモデル化作業が完了します。そのため、受注から工事開始まで3か月間の短納期エンジニアリングが可能になりました。
3Dレーザースキャナーを使った計測および3Dモデル化のみの受注も増えています。

13000mm×10500mmの面積を12時間で作成
7000mm×10500mmの面積を2時間で作成

8000mm×14500mmの面積を8時間で作成

ClassNK-PEERLESSへの要望を教えてください。

出口様:目視で確認をしながら作成しなければならない構造体もあるため、ClassNK-PEERLESSの使用者によって差異が生じることがあります。この点は、今後のモデリング機能の精度向上に期待しています。

レトロフィットエンジニアリングの対象とはならない複雑な形状の機器もモデリングする必要があります。ここでは精度は求めないのでモデリング機能ではなくメッシュ機能を使用しています。しかし、対応箇所が多く、工数がかかっているためメッシュ機能の高速化をお願いしたいです。

また、船の構造体作成に関しても引き続き力を入れていただきたいです

今後について教えてください。

佐藤様:当社の強みは、約60隻のレトロフィットエンジニアリングで培われた、3Dレーザースキャナーを使用した計測技術と点群からの3Dモデル化技術です。

引き続き船の構造体作成に力をいれるのはもちろん、これらの強みを活かして、プラントに代表される陸上の構造体にも進出していきたいと思います。

さらに、世界を見て様々な人々から学ぶ中で、自分たちのアイデアも掛け合わせつつ、まだ誰も成しえていない新しいことを実現したいと考えています。

出口様:ClassNK-PEERLESSは販売当初から使っておりますので、3Dモデリングは当社にお任せください(笑)。

モデル化事例

お客様プロフィール

株式会社バラストセブン

所在地長崎県佐世保市俵町9-2 野口ビル303号室
URLhttps://www.ballast-seven.com/

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