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点群をモデル化することのメリット

『ClassNK-PEERLESS』の最大の特長は、点群から3Dモデルを素早く簡単に作成することです。モデリングに特化したソフトですので、従来、時間や手間がかかっていたモデリング作業もラクラクできるとご好評をいただいております。
一方、お客様から「でもモデル化って必要あるの?点群だけでも充分使えるのでは?」というご質問をいただくこともあります。
確かに、3Dレーザースキャナーから点群を取得後、すぐに後工程(改修設計やシミュレーション等)で活用できれば、モデル化は必要ありません。モデリングする時間や人件費が無駄に発生してしまいます。では、なぜモデル化に特化したソフトに需要があり、多くのユーザー様にお使いいただいているのでしょうか。
本記事では、いくつかのシチュエーションに分けて、点群のみで使用する場合と、3Dモデルも活用できる場合を比較して、「点群をモデル化することのメリット」をご紹介します。

目次

【シチュエーション別】点群をモデル化することのメリット

まとめ

データ共有

3Dレーザースキャナーで点群データを取得後、その点群データを自社内やお客様と共有する際、ネックとなるのが点群データの容量の重さです。

ここで、いくつか点群の容量と3Dモデルだけの容量を比べた例を挙げてみます。

プラント設備

点群データ
2.95GB (FARO fls)
↓↓
3Dモデルデータ (カッコ内は点群データに対する3Dモデルデータのサイズ比)
ClassNK-PEERLESS original file: 18.3MB (0.6%)
IFC: 54.6MB (1.8%)
IGES: 67.4MB (2.2%)
STEP: 29.4MB (1.0%)
DXF: 152MB (5.0%)

建物内設備

点群データ
3.76GB (FARO fls)
↓↓
3Dモデルデータ (カッコ内は点群データに対する3Dモデルデータのサイズ比)
ClassNK-PEERLESS original file 9.58MB (0.2%)
IFC: 33.0MB (0.9%)
IGES: 29.6MB (0.8%)
STEP: 13.6MB (0.4%)
DXF: 97.1MB (2.5%)

建物全体

点群データ
3.37GB (e57)
↓↓
3Dモデルデータ (カッコ内は点群データに対する3Dモデルデータのサイズ比)
ClassNK-PEERLESS original file 1.15MB (0.03%)
IFC: 1.45MB (0.04%)
IGES: 3.29MB (0.1%)
STEP: 2.19MB (0.06%)
DXF: 3.73MB (0.11%)

このように、3Dモデルにしてしまえば、かなり効果的に容量削減が可能です。

計測

そもそも点群測定のメリットの1つに、一度計測してしまえば、再び現場に行かなくても現場の状況が把握できる、ということがあります。つまり現場の寸法計測がオフィスにいながら、いつでも可能になります。

この計測においても、点群をモデル化しておくことをオススメします。
わかりやすいように実際に検証をしてみましたのでご覧ください。

3名に以下のようにデータと指示を出し、寸法計測をお願いしました。
(今回、計測にはClassNK-PEERLESSの計測機能を使用しています。使用する機能の指示は出していません。)

3Dモデルデータ(今回は必要な部分のみモデル化)

結果は以下のようになりました。

〈点群データ上〉 単位:mm

①計測結果②計測結果③計測結果
Aさん14749772504
Bさん148410162738
Cさん147710012507


〈3Dモデル上〉単位:mm

①計測結果②計測結果③計測結果
Aさん147610092507
Bさん147610092507
Cさん147610092507

結果からわかるように、点群データ上の計測では、測る人間によって結果がバラバラになっています。1番大きくて234mmの誤差が出ています。一方、3Dモデル上の計測では、全員すべて同じ結果になりました。

なぜ点群で距離計測する場合に、こんなにも結果がバラバラになってしまうのでしょうか?
それは極端な話、次の画像のように測ってしまう場合があるからです。

①の指示、上の床面と下の床面の距離を点群上で計測している状態です。
これでは、垂直に測れていないため、床面と床面の最短距離になっていません。
ClassNK-PEERLESSには、選択した点と点の軸距離を計測する機能があるため、その機能を使えば垂直に測ることは可能ですが、やはり人によって選ぶ点が違うため、バラつきは生じてしまいます。

一方、3Dモデルを計測する場合は要素と要素を指示することができるため、本来意図している距離を計測することが可能になります。結果、誰がいつ計測しても同じ結果を得られるので、マスターデータとして活用できるようになります。

干渉確認

現状を点群データとして取得する目的の多くは、改修工事です。既設の状態を把握して、増設部の設計や、機器の搬入出ルートの確認、撤去計画を行います。その際、新たに設計した箇所が既設設備と干渉してはいけません。
この干渉をチェックする段階でも、モデル化のメリットがあります。

次の画像は、同じエリアを点群のみで見た場合と、点群から作成したモデルで見た場合になります。
視点方向も同じです。

点群のみの場合をご覧いただくとわかるように、左側のタンク(円柱形状)がほとんど認識できません。一部の配管もとても見えづらい状態です。こういったことは点群測定によく起こります。陰になっている部分が抜けていたり、天井の配管であれば、下方向からのスキャンしか行っていない時は、下半分の点群のみになります。
この欠けている部分を考慮せずに設計や搬入出ルート計画を行ってしまった場合、現実では干渉が生じます。

人間の目で見ればわかることなので、そんなミスはなかなか起こらないし、話が極端すぎると思われるかもしれません。でも、この一部分だけではなく、広大な範囲の点群データを扱う場合はどうでしょうか。ミスが起こる可能性は高くなり、神経と時間をかなり使うことになります。

上記から、なるべくモデル化した状態で改修工事に活用することをオススメします。
一旦モデル化してしまえば、一般的なソフトの干渉チェック機能を使って自動で確認することができます。
もちろんClassNK-PEERLESSにも、点群とモデルの両方を同時に干渉確認できる機能があります。

一部が欠落した点群からモデルを作成することは難しいことではありません。
ClassNK-PEERLESSでは簡単にできます。
例えば、配管の場合、点群の状態から径を自動で推測し、規格に当てはめて作成します。

その他の形状も、ユーザーの意図に沿ったモデリングが可能なので、簡単に欠落部を補完することができます。

既存3次元システムの活用

点群データを使ったプロジェクトを社内で立ち上げる際、新しいソフトの機能や操作をマスターするのに大変苦労するかと思います。もし、すでに操作に慣れている3次元設計ソフトがあれば、なるべくそちらで作業してしまいたいと感じるのが本音ではないでしょうか。
そのような場合、お持ちの設計ソフトは『データ共有』でご紹介したような大容量の点群データを読み込めるでしょうか。読み込めたとしても、ストレスのない操作が可能でしょうか。

ここで、モデル化の出番です。
モデル化したデータを、お使いの設計ソフトに渡してしまえば、その後は慣れた環境で作業が可能です。
ClassNK-PEERLESSのモデリング操作は基本的に、点群をマウスポインターでペイント→自動認識→作成、の繰り返しなので、設計者ではない方でも初心者でも簡単にモデル化が可能です。(※参考動画

ClassNK-PEERLESSユーザー様がお使いの設計ソフトの代表的な例が以下になります。
もちろん、これら以外にもClassNK-PEERLESSから出力した3Dモデルを読み込めるソフトはあります。
気になる場合は、是非一度ご相談ください。

  • Autodesk
    • Plant 3D
    • Revit
    • 3ds Max
    • AutoCAD
    • Navisworks
  • Intergraph Corporation
    • Smart 3D
    • EYECAD
  • AVEVA
    • E3D Design
    • PDMS
  • NYKシステムズ
    • Rebro
  • ダイテック
    • CADWe’ll Tfas
  • Dassault Systemes
    • SolidWorks

特に、Plant3Dには pcfファイル、EYECADにはEYEPoints向けのデータを出力できます。どちらも配管情報もデータとして渡すことが可能です。

このように、モデル化することによって、かなりデータが扱いやすくなります。
簡単に素早くモデルを作成して、サッと慣れた環境に渡してしまいましょう!

クライアントへのレポート

スキャンしたデータを使って計測やシミュレーション、設計作業を行い、結果を報告する際にもモデル化は有効です。
単純なことですが、視認性が良くなります。
比較画像をご覧ください。

特にVRで見た時はその違いが顕著に現れます。

比較からわかるように、配管が複雑に入り組んでいる部分や、パッと見ただけでは認識できないような部分もハッキリと確認できます。

また、色を変えて見ることで、よりリアルな表現も可能になります。

まとめ

いかがでしたか?
点群データをモデル化しておくと、データ共有・計測・干渉確認・既存3次元システムの活用・クライアントへのレポートと、様々なシチュエーションでメリットがあることをご確認いただけたでしょうか。

モデル化が良いのはわかったけれど、その分コストがかかるのはちょっと…という方がいましたら、ClassNK-PEERLESSのモデリングを是非体験してみてください。

直感的でカンタンな操作と、設計の知識がなくても規格に合わせてモデリングできる機能をご覧いただければ、時間と人件費のコストを抑えたモデリングの実現は容易くご想像できると思います。

製品紹介・デモのご依頼はいつでもお待ちしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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