活用例
もっと活用!LiDARスキャナ 第5回【モデル化せず点群のまま活用する場合】
第4回目までを通して、LiDARとは何か?測定のコツは?測定したデータの合成は?というところまで順を追って説明させていただきました。
今度は、取得した点群を後工程でどう活用していくか?がテーマです。
アルモニコスのお客様の多くは点群をモデル化(面化)し、設計やシミュレーションシステムに渡して活用されています。やはり点群のままだと扱いづらいため、モデル化しておく、というのはおススメです。
その反面、モデル化をせず点群のみで活用する方法もあります。
iPhone/iPadのLiDARスキャナで測定した点群データは、現状把握・寸法計測・データ化・AR活用など様々な局面で活用できます。
第5回となる今回は、iPhone/iPadで測定した点群データの代表的活用事例についてご紹介します。
現状把握に活用
建物内の現状把握を行う際、写真(2D)では全体の形状が分かりにくい部分があります。点群データを取得し、3Dで回転しながら確認することで、全体の形状がより分かりやすくなります。
画像は、Sakura3D SCANで点群取得し、そのまま寸法計測機能で数値を出したものです。
このように、点群だけの状態でも寸法計測が可能です。
(※点群を使った計測の場合、選択する始終点によって結果が変わります。)
その他には、以下のような利点があります。
- 入り組んでいて手で測りにくい部分も、測定したデータさえあれば、寸法計測が可能。
- 測定データを手元に保管しておけば、測り忘れた部分があっても、わざわざ現場に行かずに再び寸法計測が可能。
点群データから形状を把握し寸法を測ることにより、機器の取り換えや新しい設備の配置、設備の撤去などの検討で活用できます。また、より精度良い計画や見積が可能となります。
作業の進捗把握のために活用
細かい数値は必要なく、大体の状態を把握したい時や手間をかけずに記録を残しておきたい時、LiDARでのスキャンが有効です。
例えば、地面を掘る工事の進捗確認のために、日ごとに掘った土の量を簡易的に測量し、データを溜めておく、というようなことができます。
記録する量や回数が多いと、手動での記録は時間がかかってしまいます。iPhone/iPadでスキャンするだけなら、写真を撮るような感覚で、写真よりも正確に記録を残しておくことができます。
写真の代わりとしての活用
最後にご紹介する活用法は、従来では写真で行っていた事を点群データで置き換えてみる活用法です。
- 現場保存
交通事故や殺人事件の現場などをスキャンして現場保存すると、写真ではわからなかった部分が確認できたり、後から3Dの状態で見直すこともできます。
- カタログ・アルバム風
モノだけでなく、もちろん人もスキャンできますので、3Dアルバムとしてデータを残してみるのも面白いかと思います。
いかがでしたか?
点群のまま活用する場合にも、様々な方法があることを知っていただけたのではないでしょうか。
次回は、点群からのモデリングについてご紹介します。
tag : LiDAR Sakura3D SCAN