HOME > ClassNK PEERLESS > さまざまな業種向けに計測・モデリング作業を実施。海外拠点を使って生産性を確保!

活用例

さまざまな業種向けに計測・モデリング作業を実施。海外拠点を使って生産性を確保!

有限会社柏原工業様は、1962年に造船関連鉄工所として広島県に創業され、舶用タンクの製造、舶用機器メーカーのOEM生産、レーザー加工機による切断加工の受託などを手掛けられています。
2011年からは3Dレーザースキャナーを導入し、3次元計測の代行や計測した点群データのモデリングの代行など、リバースエンジニアリング業務も開始されています。船舶機関室・プラント・工場などの建築物や歴史的建造物の耐震工事を目的とした計測、および図面化・モデル化の豊富な実績をお持ちです。

今回は、専務取締役の柏原圭佑様に、ClassNK-PEERLESSを利用した業務についてご紹介いただきました。

専務取締役
柏原圭佑氏

さまざまな業種に向けた計測・モデリング作業

3D CAD データ化の必要性

3次元計測時に死角があると取得できない点群があるため、現状と一致しない不完全なデータとなる。この点群データをもとに3D CADデータ化する際、推測や図面の情報を参考にモデリングするため、点群データの状態では不完全だった部分も補完できる。これが点群データよりも3D CADデータの視認性がよいとされる理由である。
また3D CADデータにすれば「モノ」として扱えるため、各種操作性が良くなるという利点もある。例えば配管などの規格品は、塗装や錆による径の変化や保温材などの非構造物を無視して規格通りの数値を入力すれば、データを受け取った側が「読める」「使える」実用的なデータとして利用できる。

モデリングソフトの要件と自社構築システムとの連携

効率性の観点から見れば、必要な部分だけモデリングを行い、干渉確認程度の用途なら点群データを利用するという使い方が理想的ではある。
しかし柏原工業で行っているモデリング業務の場合、客先によって作業環境が全く異なる。点群データと3D CADデータが同居できるシステムを客先が保有していないことが多いため、3D CADデータだけで完結できるように必要な範囲は全てモデル化し、汎用的な3D CADデータファイルで納品している。
そのため、広範囲を効率よくモデリングできることがモデリングソフトの重要な要件であり、ClassNK-PEERLESSであればこれを満たすことができた。また客先でデータを有効活用してもらうため、柏原工業は独自のPC・タブレット用簡易ビューワを提供して他社との差別化を図っている。

課題

モデリング業務の課題は一般的に、モデル化にかなりの工数がかかることだと言われている。これは柏原工業でも同様であるため、解決したい。また年々扱う点群量も増えていることから、大容量点群の効率のよいモデル化手法を確立することも課題となっている。

ClassNK-PEERLESS導入による効果

大容量点群のモデル化工数を削減することを目的として、ClassNK-PEERLESSを販売開始当初から導入した。作業者からは「大規模点群データの表示が速くなり、快適になった」「モデリング作業で感じていたストレスが軽減できた」という声を聞くことができた。現在は、ClassNK-PEERLESSを主に修繕船やプラントのモデル化に利用している。対象物にもよるが、モデリングの作業時間も従来に比べ25%程度削減できた。

海外法人を使った生産性の確保

ClassNK-PEERLESSの導入により作業効率は向上したものの、点群処理にはまだ多くの労力を要する。仕事量にもムラがあるため、日本国内で専任のスタッフを常駐させることは難しい。そこで柏原工業では、従来からベトナム事務所で行っていた製作用のプロトタイプ3Dモデルや切断データの作成作業を拡張し、点群処理業務も兼任させることで、安定した生産性を確保している。

ベトナムは勤勉で若い技術者が多いため、労働者不足が問題となっている日本より人員を集めやすい。費用を抑えて詳細まで作りこまれたアウトプットを提供するために、作業者の教育には特に力を入れている。
インターネットを介して修繕需要の多い日本と、若者の職場が不足しがちなベトナムの補完関係が築けている。

今後

これまでに数多くのモデリング業務を行っていたこともあり、さまざまな業種からお声掛けをいただけている。今までの経験に裏付けされたアウトプットがベースとなっていると感じている。更にアウトプットを良くしていくことが、柏原工業の目標である。
アルモニコスには、作業現場からの改良要望をシステムに反映し、更なるモデリング作業の効率化を目指してもらいたい。
特に作成した3Dモデルを客先のシステムでネイティブなデータと同様に扱えるようにしたいという需要が根強いため、データの入出力の業界をまたいだ規格化と、点群データの活用を促進できるようなシステム開発を期待している。

お客様プロフィール

有限会社 柏原工業

本社 広島県尾道市因島重井町5800-100
URL https://kashiharakogyo.co.jp

tag : ユーザー事例