活用例
ICT活用に向けた3次元モデル化作業のための専用システムを構築。作業工数削減(3分の1~4分の1)、高精度化を実現!
株式会社不動テトラ様は、土木事業・地盤事業・ブロック事業を手掛ける土木系のゼネコンで、世界で初めてサンドコンパクションパイル工法の開発に成功した地盤のエキスパートであり、豊富な設計施工技術と施工実績をお持ちです。また、「テトラポッド」に代表される消波ブロックの技術を最初に国内に導入し、製品化されました。そのブロックを中心とした型枠賃貸を行うとともに、水際線における様々な技術・設計サービスを行われています。
今回は、総合技術研究所 昇悟志様に、ClassNK-PEERLESSをベースにした専用システムの導入にいたるまでの経緯と、その役割と効果についてご紹介いただきました。
ICT活用を推進するために3次元モデルが必要だったが、モデル化に多くの時間を要していた
国土交通省はi-Construction(注1)を推進しており、港湾での消波工においてもICTが取り入れられつつある。調査ではUAV(注2)の活用、設計では図面の3次元モデル化、施工ではICT施工の工種の拡大、維持管理では点検データの3次元可視化が進んできており、一部の工種ではCIM(注3) が導入されている。
不動テトラでは、消波工でのICT活用推進を目指し、測定した点群データから3次元モデルを作成していた。しかし、消波工を3次元モデル化するうえで適切な手法がなく、ブロックを手動で配置する必要があった。そのため特定の技術者に負荷が集中し、作業に多くの時間を要していた。さらにこの手法では再現精度も低いうえ、ブロック据付工事の施工計画立案や工事関係者協議で一般的に用いられる、ブロック模型へのデータ化が不可能だった。
注1:「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もっと魅力ある建設現場を目指す取り組み。
注2:Unmanned aerial vehicleの略。通称ドローンとばれる無人航空機。
注3:Construction Information Modeling/Managementの略。建築分野で進められている BIM(Building Information Modeling)の概念を土木工事において活用しようというもの。
専用システムで3次元モデルの作成時間を短縮し、高精度化を目指す
点群データから3次元モデルを簡単に作成できるシステムであるClassNK-PEERLESSを活用し、課題であるブロックの3次元モデル作成時間の短縮を実現するための手法をアルモニコスと協議・決定。
ClassNK-PEERLESSに標準搭載されている「点群データに3次元モデルを配置する機能」に、形状の特徴を使って消波ブロックを自動配置する専用システムを完成させた。ブロックを作成するのではなく自動配置する方式にしたことで、一部分しか見えないブロックでも見えていない部分の形状を補完してモデル化ができるようになった。
3次元モデル作成時間を大幅に削減、作成モデルの高精度化も達成
- 消波ブロックの点群からブロックを配置する時間が、以前と比べて3分の1から4分の1に短縮された
- 配置されたブロックと点群との誤差はブロック寸法の約2%以内となり、3次元モデルの高精度化が実現した
- 点群へのブロック配置作業に関し、特定の技術者を必要としなくなった
- ブロック個々の位置座標や脚の方向ベクトルの情報が外部出力できるため、ブロックの据付位置および姿勢を把握できるようになった(据付工事での利用)
お客様プロフィール
株式会社 不動テトラ
本社 | 東京都中央区日本橋小綱町7番2号 ぺんてるビル |
総合技術研究所 | 茨城県土浦市東中貫町2-7 |
URL | https://www.fudotetra.co.jp |
tag : ユーザー事例