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活用例

[樹脂金型の場合] 樹脂金型の再生、図面化

樹脂金型には、複雑な自由形状、精度が必要な形状、逃がし形状など様々な形状があり、用途に応じて適したリバースを行う必要があります。
今回は樹脂金型に対してspScanにて用途に応じたリバースエンジニアリング技術を適用し、金型の再生・図面化を行った例をご紹介します。

樹脂金型の再生

金型は、素材や加工方法等によって摩耗や劣化の速度は様々ですが、たくさん使うほど老朽化や破損のリスクは高くなります。金型の老朽化等で生産に支障が出た際には、安定的に量産を継続するために金型の再生が必要になります。

樹脂金型もその他の金型と同様に、必要に応じて金型の復元が必要になります。
金型を復元する際にはその金型のCADデータを使用します。金型の設計CADデータがない場合や、設計CADデータの形状が量産中の金型と異なる場合には、量産中の金型から取得したSTLデータをリバースしてCADデータを作成します。

樹脂金型には、複雑な自由形状や逃がし形状、精度が必要な形状など、様々な形状が含まれており、それぞれ目的や状況に応じたリバースが必要になります。一般的な3DCADでは自由形状の表現が難しかったり、STLとの精度を保持しながら面を作成するような機能がありません。そのため、精度を維持しながら必要な形状を再現したCAD面化を行うためには手間も時間もかかってしまいます。

リバースエンジニアリングの適用

spScanのリバースエンジニアリング技術を適用することで、前述の課題を解決することができます。spScanは特に自由曲面の作成を得意としているため、樹脂金型に含まれるような自由形状を簡単に精度よくリバースすることが可能です。

また、平面、円柱、円錐といったプリミティブ面の作成の際には、傾きや座標値の誤差を調整することで図面化に適したCAD面を作成できます。通常のリバースではSTL自体がもつ誤差によって作成したCAD面にも傾きなどの誤差が生じるため、図面化の際はリバースしたCAD面の誤差を後工程の3DCAD上でそれぞれ修正する必要があります。一方spScanの場合は、リバースの際に予め誤差を修正した状態でCAD面化できるため、3DCADでの修正なしで図面化に利用可能なCADデータを作成することが可能です。

さらに、spScanでは曲面の精度と品質のコントロールが容易です。そのため、例えば製品形状の部分は精度を優先して作成し、逃がし形状は精度よりも品質を優先して作成する、といった区分けによって効率的にリバースすることができます。

実際の例:樹脂金型のリバース

下記は実際にspScanで樹脂金型(中子)をリバースした事例です。
こちらは中子の部分なので、組付け精度が重要な一方で、材料となる樹脂を金型に注入する際の逃がし形状も含んでいます。そのため、精度が必要な箇所とそうでない箇所との区分けをしながらリバースをすることが重要です。

前述のようにspScanでは「STL形状の再現性、精度」と「滑らかな面品質」のコントロールが容易です。これにより、様々な特性の形状を含む樹脂金型のリバースにおいても、精度を優先する部分と品質を優先する部分の区分けをコントロールしながら素早くCAD面化を行うことができました。

リバース工数約7H

                          

また、spScanで予め図面化に適したリバースを行うことで、3DCADで修正を行わなくても図面化に利用可能な下記のようなCADデータを作成することができます。

tag : 金型リバース 点群データのCAD化