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点群・ポリゴン処理

3D最短経路

3次元空間内の新規配管設計に適用される「3次元最短経路探索」の研究に取り組んでいます。

工場、プラント、大型外航船の船内など、配管や機器が既に存在する環境下において、新規に配管を通す設計および取付作業は困難を極めます。作業現場で数人が計測および確認作業を繰り返し行い、経路やバルブ位置を決定します。

アルモニコスでは、PC内の仮想空間で新規配管を設計する手法が確立できれば、全体工期の大幅な短縮に寄与できると考え、現場全体を非接触測定器で計測した3D点群を利用した手法を研究しています。

この研究結果は、「ClassNK-PEERLESS」に搭載されています。

既存設備に対する新規配管設計における課題

  1. 入口(位置と方向)、出口(位置と方向)を固定した場合の最短経路はどこか
  2. エルボなどの屈曲部品はなるべく使用せず、直管で通す
  3. バルブ位置は手作業の空間を確保する
  4. 流体(水、オイル)は上から下へ
  5. 既存の配管サポートを使用する
  6. ヒトや機器搬入出の動線を確保する

上記のように、多数の拘束条件・機能要件を満たす設計検討が必要となりますが、アルモニコスでは、まず課題 1 と 2 を満たした経路の自動探索に挑戦しています。「折れが少ない」「3次元空間内の最短経路」の探索=「3次元最適経路探索」となります。

課題 1、2 を解決後、3~6の課題に順次取り組む予定です。

最短経路探索

アルモニコスで採用した「最短経路探索」は、

  1. 最短経路探索ダイクストラ法を応用し、3次元問題に適用
  2. Vertex(節点)をプログラム内で自由に配置
  3. 折れが少ない経路を抽出

など、アルモニコス独自の工夫を施すことで実現しました。

ダイクストラ法とは

“ダイクストラ法はグラフ上の2頂点間の最短経路を求めるアルゴリズムで、1959年エドガー・ダイクストラによって考案された。 応用範囲は広くOSPFなどのインターネットルーティングプロトコルや、カーナビの経路探索や鉄道の経路案内においても利用されている。 なお最短経路長の推定値を事前に知っているときは、ダイクストラ法の改良版であるA*アルゴリズムを用いて、より効率的に最短経路を求めることができる。”

「ダイクストラ法」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
2019年5月19日 (日) 11:27 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org

計算前

  1. 入口(始点、方向)と出口(終点、方向)を設定する。
    *画像内ピンク色の部分

     
  2. 干渉物(点群の塊)を避けることを条件にする。

計算後

関連製品

大規模点群モデル化システム ClassNK-PEERLESS

上記製品へ実装しました。動画をご覧ください。

研究担当

3D最短経路

取締役 CTO 兼 ACE事業部 事業部長 高柳和典

1996年、(株)アルモニコスに入社し、光学シミュレーションや曲線、曲面の形状処理関連の仕事に携わる。

spGate, spScan の立ち上げを担当。

2012年、技術統括執行役員に就任。

​2019年、​​ ​取締役に就任。

趣味は電子工作。

3D最短経路

※所属・肩書は記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。