画像処理
動画によるワイパーの動作分析
MV-Analyzerを使ってワイパーの動作を分析
現在ショッピングモールにて販売中の MV-Analyzerは、動画を使った解析を簡単に行うためのソフトウェアです。
このソフトウェアの特徴は、撮影対象の3D化と物理量の算出による定量分析です。動画を階調表示したり、3D形状表示に変換することにより、3Dモデル上での動作解析が可能になります。また、解析対象の物理量を算出し、定量分析に役立てます。
MV-Analyzerでは、動画に映るリアルな情報を3D化し、3D空間内で解析を行うことで、手軽にデジタルツインを実現します。
第一弾は「煙」の解析でしたが、次のターゲットとして研究を進めているのが、「ワイパー」です。
今回は、まずワイパーの動きの3D化に関する検討を2つ、行いました。
ワイパーの動作を階調表示
1つ目は、ワイパーが水滴を拭き取る動画の階調表示です。
右図は、フロントウインドウに水滴がつく前と、ワイパーが拭き取っている瞬間(左図)とのフレーム差分を階調表示したものです。水滴のある部分と、拭われて水滴が無くなった部分が、判別しやすくなりました。
ワイパー動画の階調表示をフェースに表示して3D化
2つ目は、3D曲面への階調動画マッピングによる、3Dアニメーション表示です。
自動車の3DCADモデルのフロントウインドウ部分にあるフェースに、各フレームの画像をテクスチャマッピングしました。リアルから得たワイパーの動きを、3D空間上に再現できました。
通常の3DCADのフェースと同じ様に、見る方向を360度自由に変更することができますので、見たい方向から動画の状況を見ることが可能です。
3Dフェース上に動画を表示することによって、立体的な可視化ができるだけでなく、より正確な物理量の算出ができると考えています。
今後の課題
今後は、MV-Analyzerのもう一つの特徴である定量分析の手法を検討して参ります。
現在、以下のようなアイデアを検討しています。
- 階調表示を使ったワイパーの拭き取り面積の算出
- 3Dフェースの動画を使って分析した物理量と解析結果の比較
研究担当
A-Pro事業部 副事業部長 宮崎篤司
1999年、アルモニコス入社。
大学卒業後、製造業でプラントの設計業務を経験した後に、ソフト側から製造業を支援したいと思いアルモニコスに転職。
入社以来、自動車メーカを中心とした多くの製造業向けの専用システム開発に携わり、お客様の業務効率化の実現を支援。
趣味は、釣りとドライブ。最近ワカサギ釣りにはまり、毎年1回山中湖に釣行。100匹以上の釣果を目指すも未だ超えられず。愛車はアバルト。いつかサーキットで全開走行するのが夢。
A-Pro事業部 鳥居祐樹
ネットワークインテグレータ業を経て、2015年アルモニコスにUターン入社。
汎用3DCADのカスタマイズや専用アプリの開発といった、受託開発を主に担当。
趣味は、ゴルフ、カラオケ、スキー、ドライブ、TVゲーム。始めたばかりのゴルフは、沼にはまったような入れ込み様。最近は、Raspberry Piで娘のためにおもちゃを作ったり。今回のプロフィール画像は6歳の長女の作品。
愛車はNCロードスター。いざ、軽井沢。
※所属・肩書は記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。